ほろ酔い工芸

ほろ酔い工芸2024~ガラスと陶器の酒器と話題の県産クラフトビール~

今年も5月18日(土)の一日限定開催!立ち飲み式での開催です。
内容:お好きな器1点 + 飲み物(ビール)1杯 + おつまみ盛り合わせ
チケット:前売=4,500円/当日=5,000円
事前予約:4月18日(木)~
web予約はこちら

アルプスをはじめ急峻な山々に囲まれた長野県は、清水に恵まれ、ビール造りにも最適な環境。
ここ10年くらいの間にマイクロブリュワリーがぐっと増え、昨年末の統計では醸造所数が全国4位の多さにまでなりました。
今年の「ほろ酔い工芸」では、そうした県内の小規模醸造所のビールから選りすぐった数種類をお届けします。
県内在住作家による酒器で、キンっと冷えた一杯をグイッ。県産の素材にこだわったおつまみを傍らに、たのしいひと時をお過ごしください。

写真:ほろ酔い工芸2024

朝比奈克文 五山焼(いつつやまやき)

北信五岳と呼ばれる美しい山々に囲まれた飯綱町に窯をもち、五山焼の屋号で長年活動を続けている朝比奈さん。どこかの国のおとぎ話のような、物語を感じさせる絵柄や紋様入りの作品で人気が高く、シリーズで揃えるファンも多くいます。

写真:ほろ酔い工芸2024

「ほろ酔い工芸」への参加は7年ぶり。前回大好評だったウサギモチーフの作品も再登場する予定です。東日本大震災の直後に、「平安を祈る意味を込めた図案にしたい」と筆をとった朝比奈さんは、一匹の蝶を見あげるウサギの姿を描きました。その図柄入りカップやお皿も並ぶうえ、工房から見える北信五岳を描いた近作などもあり、迷う楽しみがうまれます。

写真:ほろ酔い工芸2024

「最近になってまた磁器も始めました。李朝の磁器の使いやすさや形に憧れがあって、再チャレンジです」と話す朝比奈さん。もしかしたらこの「ほろ酔い工芸」にも、そんな最新の成果作品が並ぶかもしれません。

朝比奈克文[Katsufumi Asahina]五山焼


写真:ほろ酔い工芸2024

加藤あゐ

加藤さんの生まれは、1000年以上の歴史をもつ陶磁の中心地・愛知県瀬戸市。あまりに身近すぎて作陶を職業にすることなど考えず、学生時代には物書きを目指して芸術大学で文芸を専攻しました。ところが、美術家のアシスタントなどを経て紆余曲折するうち、偶然にも再会した陶芸にすっかり魅せられてしまったそう。そこで改めて故郷・瀬戸の窯業校で学び始め、埼玉県のアトリエを経て、現在は長野県下伊那郡で作陶を続けています。

写真:ほろ酔い工芸2024

「原始的なものと現代的な要素を合わせ持つものをつくりたい」と話す加藤さんの作品からは、土や火のもつ素の魅力が漂います。コバルトを混ぜた暗めの釉薬を使ったり、焼成中に生じた土肌のヒビが浮き立つよう酸化鉱物を塗り再焼成を繰り返したり。自然の力を引き出すように仕上げる作品は表情豊かで、いつまでも触れていたい気持ちになります。

写真:ほろ酔い工芸2024

今回はビール用酒器ということで、「マグをすっと伸ばしたようなものとか、いろいろ作りたいですね」と、加藤さん。お皿も出品いただける予定なので、乞うご期待。

加藤あゐ[Ai Kato]
https://www.ai-kato.com/


写真:ほろ酔い工芸2024

塩田裕未(あづみ野ガラス工房)

安曇野市にあるガラス工房に所属して5年目になる塩田さんは、その前まで多摩美術大学と同大学院に通い、ガラス研究を続けてきました。現在は工房の仕事もこなしながら自身の作品制作に励んでおり、積極的に展覧会などに出品もしています。

写真:ほろ酔い工芸2024

「塊とか、彫刻っぽさがあるような分厚いガラスが好きです」と話す塩田さん、特に学生時代はオブジェ的な作品を手掛けることが多かったそう。ここあづみ野では吹きガラスによる日用品に取り組むことが増えましたが、形としてはやはり「丸々としたもの」が多く、それが彼女らしい特徴になっています。

写真:ほろ酔い工芸2024

また、オブジェ制作時にはほとんど使ってこなかったパステルカラーを、日用品ではよく使うようになったとのこと。今回用のグラスも「いろいろな形や色を揃えてみたい」とのことなので、ビールを入れた時の感じをイメージしながら、お好みの1つを見つけてみてください。

塩田裕未[Yumi Shioda] あづみ野ガラス工房
http://azumino-glass.com/cn9/yumishioda.html


写真:ほろ酔い工芸2024

関川葵(あづみ野ガラス工房)

塩田さん同様、あづみ野ガラス工房に所属し、3年にわたり作品制作を続けている関川さん。最近のテーマは「水」で、表現としての水をイメージできるような歪み感などを意識し、表現を模索しています。

写真:ほろ酔い工芸2024

オブジェ制作が好きで、日用品については「花器など、実用的でありつつ単体で置いてあっても映えるもの」に惹かれるという彼女は、一輪挿しなどの作品を得意としています。その際、ご自身が好きな花である「かすみ草をイメージしてつくることが多い」というのがユニーク。具体的な花がイメージされた、特徴的なフォルムになっています。

写真:ほろ酔い工芸2024

今回つくってもらうのはビール用グラスですが、「透明ななかに少し色が入ったものとか、全体にほんのりと色を感じさせるものが好きなので、そういうものも入れたい」と、積極的に楽しんで取り組んでくださいました。

関川葵[Aoi Sekikawa] あづみ野ガラス工房
http://azumino-glass.com/cn9/pg98.html


写真:ほろ酔い工芸2024

相馬佳織(FUKU glassworks)

青森に生まれて秋田で学び、2015年に長野市に拠点を移して「FUKU glassworks」を設立した相馬さん。2018年にアトリエを移転してショップ「FUKU tenpo」を新設させ、現在はその運営と並行して、ガラス制作を続ける充実な日々を送っています。

写真:ほろ酔い工芸2024

朝比奈さんに続き、相馬さんもまた「ほろ酔い工芸」への参加は2回目。「ここのところ、不透明なものとか少し色の入ったものを作ることが多いですが、ビールがきれいに見えるグラスも目指したいですね」と、今回用にバリエーションを揃えてくれるそうです。また、最近は板皿の制作も進めており、「表と裏で手触り感が違うものもつくっていて、どちらを使ってもいい仕上げになっています」と、遊び心と実用性を兼ね備えた作品が増えています。

写真:ほろ酔い工芸2024

いろいろなタイプのガラス作家さんがいるなかで、「自分の特徴は”ちょうどいい厚み”があることかも」と話す相馬さん。「ぽってりした厚みもないですし、薄すぎて割れそうということもない、使いやすい厚みを探して制作しています」。躊躇なく使えてしっかり洗える、そんな健康さも、日用にふさわしいポイントではないでしょうか。

相馬佳織[Kaori Souma] FUKU glassworks
http://fukutenpo.net/


写真:ほろ酔い工芸2024

Kawazoe

松本市内を流れる女鳥羽川沿いにお店を構えるデリカテッセン『Kawazoe』。店内のショーケースには、季節時々の食材との出会いで作られた欧州総菜がとりどりに並びます。

写真:ほろ酔い工芸2024

今回の「ほろ酔い工芸」のため、『Kawazoe』店主で料理家のワインあけびさんが、季節の野菜を使ったお惣菜3、4品に加え、スペシャルな一品を計画中です。内容は当日のお楽しみに。

写真:ほろ酔い工芸2024

Kawazoe
https://www.instagram.com/kawazoe_matsumoto/


【クラフトビール ラインナップ】
長野県下の4銘柄から5種類ほどをご用意。
松本ブルワリー(松本市)からは五月の定番「工芸の五月」ビールなどが並びます。
2013年に醸造をスタートし今年で10年目のAJB(野沢温泉村)、注目度の高い KARUIZAWA Q(軽井沢)は2022年スタートの新しい醸造所。同年スタートのムギクラブルーイング(下諏訪町)もぜひ味を確かめてみて。
個性強めのクラフトビール、お得な「おかわり券」で飲み比べが楽しめます。

文・大輪俊江
写真・モモセヒロコ

*掲載の作品およびフードはイメージです。また提供内容の一部が変更となる場合もあります。